本校では3月23日に第 65回卒業証書授与式が行われます。卒業学年の生徒・保護者の皆様ご卒業おめでとうございます。コロナ禍からの全面再開を経て、晴れて卒業の日を迎える今年度の卒業生 113名を代表し、6名の生徒が卒業にあたっての思いをつづってくれました。

日本語学校小学部での思い出 （小学部卒業生 栗原　董仁）

　僕は、日本語学校に4年半通いました。6年間より短いですが、それでもたくさんの思い出があります。例えば、3年生のころのズーム授業や2年生のかけ算テスト、初めての実力テストなどです。一番思い出に残ったのは、2年生のかけ算テストです。テストの前は、わからないところがいろいろとあったのですが、練習を何度もしてできるようになりました。今では、すごく簡単です。こうやって日本語学校に通ったおかげで、僕は多くのことを学びました。また中学でも引き続き頑張りたいです。

ワシントン日本語学校 （小学部卒業生 松山 寧衣）

　私は、小学校４年生の時に、初めてワシントン日本語学校に通いました。その時は、コロナだったのでオンラインでの授業でした。オンラインでは友達ができず、楽しくありませんでした。でも、学校に通えるようになり、5年生・6年生と通ううちに、気がついたら同じ学年のほとんどの人たちの顔と名前がわかるようになり、仲のいい友達もたくさんできました。先生とも一緒に話すことが多くなり、どんどん学校が楽しくなりました。大好きな友達と一緒に卒業できるのが嬉しいです。中学生になっても、ワシントン日本語学校に通っていきたいと思います。

僕にとってのワシントン日本語学校 （中学部卒業生 ボンジョヴィ 大樹）

　ワシントン日本語学校。それは僕にとって一番しっくりくる居場所です。幼い頃から引っ越しばかりしている僕には、ふるさとと言える場所がありません。友達になる仲間は、話す言語が違っていたり育ちもみんな別々だったりして、どこにいても常に自分が場違いだと感じていました。そんな僕はこの補習校で、ジグソーパズルのピースがぴったりとはまるように、初めて帰属意識を得ることができました。

　ここでできた仲間は、みんな僕と似たような境遇で、僕と同じようにアメリカと日本の文化の中で育っています。他ではなかなか共有しあえない特有の思い出や悩みごとを、初めて理解してもらえる仲間に出会えました。 補習校のみんなは将来、世界各国で活躍することでしょう。たとえこの先バラバラになっても、僕たちみんながこの補習校で得たかけがえのない絆は一生の宝です。

新しい道 （中学部卒業生 小寺　聖蘭）

　中学を卒業するのは不思議な気持ちです。下級生たちのお手本のような存在になれるというワクワクした気持ちと、友達と子供っぽいバカ騒ぎができなくなるのかなという気持ちが半々です。中学校で仲良くなった友達とは学校の外でもつながり、お泊まり会やお誕生日会を通して親友という存在に発展し、毎週の補習校が楽しみになりました。高等部に進級しても、同様の友達関係が続けられるといいなと思っています。学校のリーダー的役割を担う新しい挑戦を通して、成長の機会をたくさんもらえる高等部での最後の2年間を、親友たちと楽しく過ごすのが今から楽しみです。

母と私と  （高等部卒業生  小寺　優蘭）

　日本語学校生活において、私の母はまるで風紀委員長のような存在でした。朝の「まさかその格好で行くの？」から始まり、「今日も日本語だけで友達と話したよね？」がお迎え後の第一声でした。ため息をつく日もあったけど、そんな母のおかげで清く正しい日本語学校生活を続けられました。友達との学校生活は笑いの宝庫だったように思います。友達とやり取りしたジョーク、生徒同士のドタバタ劇、そして先生たちの意外な一面の発見など、毎週笑いが絶えませんでした。多方面で支えてくれた母、友達、先生のおかげで、アメリカで日本人として過ごす貴重な時間を送ることができて感謝の気持ちでいっぱいです。そんな11年間の思い出を胸に、未来に向かって突き進みます。

11年間 （高等部卒業生 横井 英奈）

　今までの日本語学校での生活を振り返ってみるとたくさんの楽しいことを思い出す。年に一度の運動会、小6からやっている生徒会活動や毎週休み時間に友達とふざけ合うことなど、大イベントから些細なことまでたくさんあった。小学生の頃は日本語学校のせいで誕生会に行けなかったり、遊べなかったりと毎週日本語学校が苦痛だった。だが、今になってその大切さがわかるようになった。日本語学校で得た教育や体験は、11年間毎週土曜日を費やしてきた分以上の価値があった。最終的には、「日本語学校に行け」「宿題をやれ」と毎週毎日言ってくれた両親、実際に教えてくれた先生方、そして、いつも学校に行くモチベーションとなった友達にとても感謝している。

出典：みらい通信2024年3月号